【2月19日 AFP】何かと失言の多いシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相が、今度はアルゼンチン軍事独裁政権時代(1976-1983)に関するジョークを飛ばし、物議をかもしている。

 問題の発言は、ベルルスコーニ首相がイタリア・サルデーニャ(Sardinia)島での選挙集会で述べたもの。

 動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」の投稿によれば、首相はアルゼンチンの独裁者が政敵をどのように排除したかに言及。「政治犯らにサッカーボールを持たせて飛行機に乗せ、上空で扉を開けると『プレーするにはもってこいの天気だね』と言って眼下の海に突き落としたんです」と言った後、「おもしろい。ドラマチックだね」と付け加えたという。

 アルゼンチン外務省筋によると、発言を受けて、同国政府はただちにイタリア大使を呼び、抗議。大使は、発言内容を検証するとともに、遺憾の意を(速やかに)政府に伝えることで合意したという。

 アルゼンチン軍事独裁政権時代には、推定3万人が行方不明になっているが、うち少なくとも100人程度がイタリア人だとされる。

 ベルルスコーニ首相は前年11月、バラク・オバマ(Barack Obama)米次期大統領(当時)について、二度にわたり「日焼けしている」と発言し、国際的な非難を招いている。(c)AFP