【1月24日 AFP】アイスランドのゲイル・ハーデ(Geir Haarde)首相は23日、総選挙を5月9日に前倒しして実施すると発表した。また、がんの治療に専念するため間もなく退陣し、次の総選挙にも出馬しない意向を明かにした。

 次回総選挙は2011年に予定されていたが、昨年10月、世界的な信用収縮で、拡大を続けてきた同国の金融産業が大打撃を受け経済が破たんの危機に陥ると、ハーデ首相への圧力は増していった。

 通貨のアイスランド・クローナは昨年45%近く下落し、12月までのインフレ率は18.1%と高水準となった。

 アイスランド国民の多くは、経済低迷と通貨下落で金融システムが崩壊し、それに伴う主要3行の国有化を、政府の失政と非難している。

 首都レイキャビク(Reykjavik)ではこの数か月間、活動家らが政府への抗議を行っており、しばしば暴徒化もしている。20日からは、議会前で1000-2000人の市民や活動家が抗議活動を続けている。

 ある活動家はAFPの取材に対して、「われわれの要求は2つある。総選挙と内閣総辞職。総選挙が示された今、総辞職を求め続ける」と語った。(c)AFP/Svanborg Sigmarsdottir