【12月31日 AFP】キューバは1月1日、50回目の解放記念日を迎える。キューバは50年前の共産革命によって、米国の敵国としての道を進んでいった。

 長く激しい反乱を続けていたフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長(82)は、アルゼンチン生まれの革命家エルネスト・チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)らとともにキューバの荒れ果てたジャングルから現れ、1959年1月1日に独裁者フルヘンシオ・バティスタ(Fulgencio Batista)大統領を追放。この国を掌握すると英雄となった。

 この50年で10人以上の米大統領に盾突いてきたカストロ前議長は今や、中南米の新世代の左派指導者の手本となっている。代表的なのがベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領やボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領で、両者はカストロ前議長の革命拠点となった南東部サンティアゴデクーバ(Santiago de Cuba)で行われる記念式典に出席する可能性もある。

 同地のセスベデス公園(Cespedes Park)では1日夕方、50年前にカストロ前議長が行った革命成功の演説を記念する行事も予定されている。

 革命の象徴カストロ前議長は今年2月、弟のラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長(77)に正式に政権を委譲した。世界の共産主義国の最後の砦(とりで)となったキューバには、ラウル現議長が公約した不透明な「構造改革」が待ち受けている。

 一方、50年前に自らが率いた革命の記念式典に、カストロ前議長が出席するかどうかについては憶測が流れている。2006年7月に腸内出血の手術を受けて以来、カストロ前議長は公の場に姿を見せていない。(c)AFP/Sylvie Briand