【12月13日 AFP】福岡県太宰府市の九州国立博物館(Kyushu National Museum)で13日、麻生太郎(Taro Aso)首相、中国の温家宝(Wen Jiabao)首相、韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領が出席して日中韓首脳会議が行われた。日中韓の首脳が、国際会議に合わせて短時間行う3者会談以外で、単独で会談を開催するのは今回が初めて。

 会議後に出された共同声明で3首脳は、北京(Beijing)で開催された北朝鮮の核開発をめぐる6か国協議の首席代表会合が、核計画申告の検証方法で合意に至ることができないまま終了したことを受け、北朝鮮の核放棄に向け、他の関係国とも協調して外交活動を継続していくことを表明した。

 3首脳はアジアを世界経済危機から保護するために行動することでも合意。1997-98年のアジア通貨危機後に設置された緊急時に外貨を融通し合う通貨スワップ協定「チェンマイ・イニシアチブ(Chiang Mai Initiative)」に替わる地域的なファンドの設立に向けた動きを速めることも呼びかけた。

 3か国首脳会議に先立ち、麻生首相は李大統領、温首相と個別に会談した。

 日韓首脳会談では北朝鮮の核開発をめぐる6か国協議で、北朝鮮が核計画申告の検証手続きに関する協議を拒否したことについて遺憾の意を示すことで一致。日本当局者によると、日韓両国は、北朝鮮の核放棄に向けた検証手続きは非常に重要な問題であるため、今後も6か国協議で緊密に協力し合っていくことで合意したという。

 日中首脳会談で麻生首相は、今月8日に中国の調査船が東シナ海(East China Sea)の尖閣(Senkaku)諸島近海の日本領海に侵入した問題について、日中関係に良い影響はないと述べ強い遺憾の意を表した。これに対し温首相は、この島々は昔から中国の領土だったと述べた一方、この問題が良好な両国関係に悪影響を与えないよう対話を通じて適切に解決していきたいと述べた。(c)AFP