【12月3日 AFP】(一部更新、写真追加)タイでタクシン元首相派が率いる政権の退陣を求め、首都バンコク(Bangkok)の2空港を8日間にわたって占拠していた反タクシン元首相派の市民団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」の支持者数百人は3日、バンコク(スワンナプーム)国際空港(Suvarnabhumi Airport)からの撤収を開始した。現地AFP特派員が伝えた。

 同空港からは、PAD指導者が抗議活動の終了期限と設定した午前10時(日本時間午後12時)直後から、PAD支持者の荷物を積み上げた自動車が続々と退去を開始した。

 PAD側は正式に空港を明け渡したが、8日間にわたる空港占拠によって、タイ国内では35万人の旅行者が足止めされ、ばく大な経済的損失が出た。

 前日、タイ憲法裁判所が、2007年12月の総選挙での選挙違反をめぐる裁判で、ソムチャイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat)首相の政治活動を5年間禁止し、最大与党の国民の力党(People Power PartyPPP)の解党を命じており、これを受けてPAD側は勝利宣言を行い、空港からの撤収を発表していた。

 目撃者によると、PADの共同創設者、チャムロン・シームアン(Chamlong Srimuang)氏は空港当局幹部のVudhibhandhu Vichairatana氏と抱き合って握手を交わし、その後、プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の肖像写真の前にひざまずき、敬意を表わした。

 Vudhibhandhu氏によると、3日午後にも、同国南部の観光地プーケット(Phuket)島からのタイ航空(Thai Airways)国内便がスワンナプーム空港に到着し、国際線の運航は翌4日から再開されるという。(c)AFP/Claire Truscott