【11月25日 AFP】(写真追加)タイの首都バンコク(Bangkok)で25日、反タクシン元首相派の市民団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」の支持者約1万人が臨時首相府を包囲するなか、タクシン派の政府支持者らと衝突、発砲があり5人が負傷した。

 タクシン派が率いる政府に退陣を要求するPAD支持者のデモは約6か月にわたり続いている。25日の衝突は、9月以降、ソムチャイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat)首相が率いる臨時首相府が設置されている旧国際空港付近の路上で発生した。

 バンコク首都圏警察の高官は自分の名前を伏せ、ピックアップトラックに乗ったPAD支持者らによる発砲で、政府側の支持者5人が負傷したと語った。PAD支持者らのなかには武装している者がおり、緊張はエスカレートしているので警戒が必要だという。

 タイのテレビでは、トラックの荷台に乗った男1人が、非武装のグループに発砲した後、黄色のシャツを着た男数人が降り、白い棒で群衆に殴りかかる映像が流れた。黄色はタイで国王への忠誠を象徴する。

 PADはタイ国王への忠誠を誓う旧エリート層と中産階級の連合で、現政権は国外逃亡中のタクシン元首相の傀儡(かいらい)政権で腐敗していると非難している。(c)AFP