国際ニュース検索
トップ > 政治 > 記事

オバマ次期米大統領を「黒人召使い」と呼ぶアルカイダの意図

  • 2008年11月20日 18:32 発信地:ワシントンD.C./米国
  • 写真
  • ブログ
  • クリッピングする
  • 写真をブログに利用する

ニューヨーク・ハーレムで、米大統領選の開票速報を見守るアフリカ系米国人たち(2008年11月4日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Spencer Platt


【11月20日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のナンバー2、アイマン・ザワヒリ(Ayman Zawahiri)容疑者が19日、ウェブサイトの声明で、バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領を「ハウス・ニグロ」と呼んだ。白人に忠実な黒人の召使いを意味するこの言葉は、アフリカ系米国人に対する最大級の差別語とされる。

「ハウス・ニグロ」という言葉の起源は、米国の奴隷時代にさかのぼる。プランテーションで働かされた奴隷たちは、畑で肉体労働を行うグループと、奴隷所有者宅で家事を行うグループに分けられたが、後者は仕事が比較的楽で、奴隷所有者と行動を共にすることも多かったことから、ほかの奴隷たちからしばしば「裏切り者」とさげすまれた。

 この言葉は、米黒人解放運動指導者の故マルコムX(Malcolm X)が、演説などで用いたことから広く知られるようになった。彼は自分のことを畑で働く「フィールド・ニグロ」と呼び、「ハウス・ニグロ」的な物の考え方を批判した。

■アルカイダの意図は?

 米国の人種問題専門家らは、米国内外で貧困層や虐げられている社会的弱者からの支持を拡大したいアルカイダにとって、オバマ氏が同国初の黒人大統領に選出されたことは大きな打撃だと口をそろえる。
 
 デューク大学(Duke University)の人種研究専門家、ケリー・ヘイニー(Kerry Haynie)教授は、ザワヒリ容疑者のメッセージには、米国内外のオバマ支持層を突き崩そうとする意図があるとみる。実際、裕福ではない家庭で育った人種的マイノリティでも米国政界の頂点に立てたという事実から、オバマ氏に魅了された人は米国外でも多いという。

 ザワヒリ容疑者は「ハウス・ニグロ」という言葉を用いたマルコムXを称賛しながら、現代のハウス・ニグロとしてコリン・パウエル(Colin Powell)前米国務長官、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)現国務長官の名前も挙げ、「マルコムXがハウス・ニグロについて語ったことが正しいことは、お前たちを見れば一目瞭然だ」と演説した。

■黒人コミュニティー内にも「驚き」

 奴隷解放から約150年、公民権運動から40年近くが経過したが、米国では「ハウス・ニグロ」という言葉は現在も使われている。しかし、ほとんどは黒人コミュニティー内だけで使用されているため、アフリカ系米国人たちは、アルカイダがこの語を使用したことに驚きを隠せない。

 プリンストン大学(Princeton University)のメリッサ・ハリス・レースウェル(Melissa Harris-Lacewell)教授は「(アルカイダ)が米国で起こっていることに多大な関心を払っている証拠。国外の人間が、米国のアフリカ系米国人を、その社会でのみ通用する見下した言葉で定義するとは、驚きだ。米国の誰かが中東の政治指導者を『フィールド・モスリム』とあざけったり、ほかの人種や民族、宗教の真正さに疑問を呈するのに等しい」と語った。(c)AFP 
AFPBB News トップへ

利用方法についてこのニュースをブログなどに利用する

ブログに転載
質問する

このニュースをソーシャルブックマークに登録する

  • Buzzurlに追加
  • newsing it!
  • トピックイットに投稿する

このニュースへのリンク

新着ユーザースライドショー

中南米 北米 中東・アフリカ アジア・オセアニア ヨーロッパ 中東・アフリカ