【10月28日 AFP】米カリフォルニア(California)州の男性が、伝統行事ハロウィーンの飾り物として、共和党の副大統領候補サラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事の人形を縄でくくって自宅の屋根から吊るし、地元市長が非難するなど物議を醸している。

 ロサンゼルス(Los Angeles)の西、ウェストハリウッド(West Hollywood)に住む男性が吊るした人形は、ペイリン氏のトレードマークである赤のジャケットに眼鏡、ハイヒールに特徴的な髪型で、一目見てペイリン氏と分かる。傍らには、火あぶりにされるジョン・マケイン(John McCain)共和党大統領候補の人形も飾られていた。
 
 地元テレビKCAL9の取材に男性は「芸術の一種だと思ってほしいし、10月が終わったらやらないよ。今月はハロウィーンなんだ。ハロウィーンといえば、怖いものや幽霊がつきものだろう」と答えた。

 しかし、ウェストハリウッドのジェフリー・プラング(Jeffrey Prang)市長は、この飾りを非難する声明を発表した。「住民たちには、マケイン上院議員やペイリン知事の人形を飾る法的権利がある。しかし、わたしは暴力を想起させる政治的表現には、それが現実の暴力であろうとなかろうと、強く反対する。この住民たちに飾りを下ろし、もっと建設的な意見の表現方法を見つけるよう呼びかける」

 ウェストハリウッドは米国でも有数の同性愛者が多く住む地域であるとともに、国内随一のハロウィーン・カーニバルでも知られ、31日には約50万人の人出が見込まれている。

 ハロウィーンはキリスト教カトリックの万聖節の前夜にあたり、その起源は異教とされたケルト人の信仰に由来するとされるが、米国では家を幽霊や魔女、怪物などを模した人形などで飾るのが習慣だ。(c)AFP