【10月17日 AFP】16日に開催された欧州連合(EU)首脳会議では、欧州各国が国際金融システムの回復にむけ一致団結したものの、地球温暖化対策やロシアとの関係修復などの議案では意見が分かれた。

 27か国が加盟する世界最大の経済圏のEUは、金融危機で経営状況の悪化した銀行の救済として、ユーロ圏15か国が打ち出した行動計画を承認した。その上でさらに、金融危機の再発防止に関して、歯止めのない行き過ぎに限度を設けることが不可欠として、国際金融システムの抜本的改革を訴えた。

 フランスのニコラ・サルコジ( Nicolas Sarkozy)大統領は、新興国のインドや中国などを含めた首脳会議を11月に開催する見通しだが、この会議にジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領を引き入れたい構えだ。

■温暖化対策・ロシア問題でまとまらず

 金融危機対策では合意に達したものの、従来からの議題、特に、温室効果ガスの削減に関するEU全域での協定を12月に締結することについては、各国の対応が分かれた。

 強い抵抗はなかったものの、多くのEU諸国は、金融危機の深刻化で世界経済が景気後退に直面するなか、関連するコスト負担や産業への影響に尻込みし始めている。

 ポーランドとイタリアは、EU域内で合意されている、二酸化炭素(CO2)の排出量を2020年までに1990年比で20%削減するとの目標を拒否する姿勢をみせていたが、サルコジ大統領は、EUが従来路線を維持しており、12月に予定されている次回首脳会議で対策を取り決める予定であると主張した。

 またロシアのグルジア侵攻で凍結していたEU・ロシアの「パートーナーシップ協力協定(Partnership and Cooperation AgreementPCA)」の交渉再開についても延期し、11月14日にフランスで開催されるEU・ロシア首脳会議までに合意することを目標とした。(c)AFP