関連情報物議を醸す失言・暴言
米テネシー(Tennessee)州ナッシュビル(Nashville)のベルモント大学カーブ・イベント・センターで、第2回大統領候補討論会で論戦を繰り広げる共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員(右)と民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員(2008年10月7日撮影)。(c)AFP/PAUL J. RICHARDS
【10月8日 AFP】米テネシー(Tennesse)州ナッシュビル(Nashville)で7日行われた第2回目の大統領候補討論会では、怒った共和党候補ジョン・マケイン(John McCain)上院議員が、民主党候補バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員を指さして「あいつ」と呼ぶ場面もあったが、そうしたマケイン氏の激しい反応も、オバマ氏優勢を覆すにはもはや時機が遅すぎた、と専門家筋はみている。
■軍配はオバマ氏に
第2回目の討論会で優勢だったのはオバマ氏との見方が大方だ。マケイン氏はオバマ氏を打ち負かし、自らの勢いを盛り返そうと必死だったが、オバマ氏は終始揺るがない態度で、深刻な経済危機の中での課題を次々と繰り出し、得点を稼いだ。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)の政治アナリスト、ウイリアム・ガルストン(William Galston)氏は「この討論でも、今回の大統領選の流れの基本は変わらなかった」と述べ、オバマ氏がさらに大きく一歩ホワイトハウスに近づいたと受け取った。
同氏は「マケイン氏の朗らかな感じはまったく出ていなかった。一方、オバマ氏は政治的に目立つ失言のようなものもなく、第1回目の討論会同様、全体的に冷静を保ち自信を持った様子だった」と評した。
7日の討論会はタウンホール形式(市民との対話形式)で行われたが、マケイン氏は舞台を歩き回りながら攻撃的に、時には侮蔑(べつ)的な調子で、オバマ氏と比べて豊富な自分の国政経験を強調した。
しかし、自分が議会で反対したエネルギー法案の話題になったとき、オバマ氏の方向に指を突きつけながら、石油メジャーを喜ばせる「アメ」満載の法案に「あいつ」は賛成したのだと述べたジェスチャーは行き過ぎだったかもしれない。
ニューハンプシャー(New Hampshire)州にあるダートマス大学(Dartmouth College)のリンダ・ファウラー(Linda Fowler)教授(政治学)の感想はさらに手厳しい。「わたしが座っていたまわりの人たちは一斉に、とても不愉快な言い方だと反応していた。今回は、わたしがマケイン氏について予測していたような感じで、オバマ氏が討論の主導権を握っていたように見えた。マケイン氏はひどくはなかったが、アピールにもなっていなかった。一緒に聞いていた人のなかには“機嫌の悪い老人"呼ばわりをした人までいた」
■金融政策の持論、討論に生かせず
今回マケイン氏は、米金融業界と一般市場を激動にさらすことになった現共和党政権の経済政策に対する有権者の怒りから、討論会前の調査で支持率を落としながら臨んだ。
マケイン氏はまた、焦げ付きが続出した米サブプライムローン問題に関し、住宅の所有者と融資者の双方から不良住宅ローン債権を買い取る最大3000億ドルの救済案を提唱しており、討論会後の新聞の見出しを一挙にさらう可能性もあったが、実際にかかりうるコストなど詳細は語らずじまい。討論後に配布された報道用資料でその枠組みを明らかにするにとどまった。
■得意の外交政策に興奮気味
オバマ氏がマケイン氏の「十八番」である外交政策で攻撃を仕掛け、以前の選挙集会でビーチボーイズ(Beach Boys)の歌をもじりイランに「ボム、ボム、ボム(爆弾、爆弾、爆弾)」と歌ったり、北朝鮮は殲(せん)滅すべきとマケイン氏が言った過去を聴衆に思い起こさせると、マケイン氏はたちまち興奮をあらわにした。
オバマ氏がイラク戦争やアフガニスタン情勢に対するマケイン氏の姿勢に批判を続けると、司会を務めたNBCテレビの著名キャスター、トム・ブロコウ(Tom Brokaw)氏に「もっと続きがしたければ、わたしはいっこうにかまわない」と威嚇的に述べる場面もあった。
前述のブルッキングス研究所のガルストン氏は、オバマ氏は大方の場面で一貫して政策による解決という角度から「明確」な回答を続けたのに対し、マケイン氏は「上院議員的な物言いに陥って」しまい、テレビで見ていた視聴者の多くを混乱させただろうと述べた。(c)AFP/Jitendra Joshi










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