【8月31日 AFP】タイのサマック・スントラウェート(Samak Sundaravej)首相は31日、首相府を占拠し空港を一時閉鎖に追い込んだ抗議行動の沈静化を目指し、上下両院の合同緊急会議を招集したが、辞任については否定した。

 サマック首相は、26日から続く混乱の平和的解決の道を依然模索している。タイでは、26日に数千人の反政府デモ参加者らが首相の辞任を求めてバンコク(Bangkok)市内を行進し、首相府を占拠した。

 デモ参加者らと警察の衝突後に、抗議行動がバンコク市外に拡大したのを受けて、サマック首相は、緊急議会を招集した。サマック首相は、今のところ非常事態宣言は出さない考え。

 緊急会議では、議員らが危機的な状況の打開策を討議するが、投票は行われない。

 反政府団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」は、サマック首相の憲法改正の方針に反対し、また、クーデターで失脚したタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相と同首相が親密な関係があるとして非難している。

 29日に反政府デモ参加者らによって閉鎖に追い込まれた南部ハジャイ(Hat Yai)の空港が30日に再開したのに続いて、プーケット国際空港(Phuket International Airport)とクラビ(Krabi)の空港も31日に再開した。タイ南部の観光地プーケット島にあるプーケット国際空港では、空港の閉鎖によって、旅客1万5000人以上が足止めされていた。(c)AFP