【8月30日 AFP】タイ・バンコク(Bangkok)の首相府でサマック・スントラウェート(Samak Sundaravej)首相の辞任を求めて居座り続けている反政府団体「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」は30日、抗議活動を激化し、首相府内の一部建物に侵入するなどした。

 PADによると、同団体の指導者の1人、チャムロン・シームアン(Chamlong Srimuang)氏が同日正午、警備に当たっていたメンバー45人に首相府内の建物に侵入するよう指示したという。

 海岸沿いの町フアヒン(Hua Hin)にあるプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王を謁見していたサマック首相は、バンコクに戻ったが、この問題について国王の助言を受けるため同日夕方に引き返す予定だ。

 PADは26日から首相府に居座り続けており、5日目となった30日も1万5000人が抗議集会に参加。汚職疑惑に関する公判中に英国に逃亡したタクシン・シナワトラ(Thaksin Shinawatra)元首相の操り人形だとしてサマック政権の退陣を求めている。

 PADは2006年のタクシン政権転覆にも一役買っており、国王や軍部などが積極的に政治に参加するよう公に求めている。

 一方、プーケット(Phuket)などタイ南部の3か所の空港で29日、PADに同調した人々が抗議デモを行い、空港は閉鎖された。1か所は同日中に再開したが、プーケットの空港は現在も閉鎖中で約1万5000人が足止めされたままとなっているという。(c)AFP/Boonradom Chitradon