【8月13日 AFP】米国のキリスト教保守派団体「フォーカス・オン・ザ・ファミリー(Focus on the Family)」は、民主党の党大会でバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員が党指名を受けて大衆を前に野外で演説する前に、洪水で流されてしまうよう熱心に雨ごいしている。

 フォーカス・オン・ザ・ファミリーが団体のウェブサイトに掲載した動画で、メンバーのスチュワート・シェパード(Stuart Shepard)氏は傘を手に「聖書(のノアの大洪水)のような大雨が降るよう祈るように求めることは間違っているだろうか」と話す。

 民主党の党大会は、今月25日にコロラド(Colorado)州デンバー(Denver)で開幕する。この党大会でオバマ氏は、11月の大統領選本選挙に向け正式に党候補に指名される。指名が確定したオバマ氏は28日、デンバーの球場で受諾演説をする。7万5000席分の入場券はすべて売り切れとなっている。

 シェパード氏は、党大会中に「大量で激しい」雨が降り、デンバーが水浸しになることを望んでおり、動画の中で「演説の2分前」に雨が降り始めるよう求めている。

 また、「わたしは中絶を反対し、男性と女性の間の結婚を支持する。次期大統領にはそれに同意する連邦最高裁の判事を指名していただきたい」と述べており、この発言は、オバマ氏の対立候補、共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員を指しているとみられる。

 同教団は12日、掲載から24時間でこの動画を削除したが、インターネット上のほかのサイトでは現在も閲覧が可能だ。

 シェパード氏は別の声明で、このビデオは「控え目なユーモア」を意図したものと説明。同団体の広報担当者も「真剣に取る人がいたとしたら残念だ」と同調した。(c)AFP