【7月9日 AFP】(一部更新、写真追加)イランは9日、イスラエルを射程内に収めた中距離弾道ミサイル「シャハブ(Shahab)3」を試射した。核開発をめぐるイランの孤立が戦争につながるのではないかとの懸念が高まりを見せる中、米国は強い口調で非難した。

 イランのアラビア語衛星テレビ局アルアラム(Al-Alam)と英語放送の衛星テレビ局「Press-TV」は、イラン国内の砂漠で9日朝、「シャハブ3」1発を含む計9発のミサイルが発射されたと伝えた。

 アルアラムによると、イラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)が実施した発射試験では、1トンの通常弾頭が搭載された射程2000キロの「シャハブ3」が発射された。

 今回のミサイル試射は、イランが平和利用と主張し推進する核開発に対して、核兵器の製造が目的なのではないかとの懸念が先進諸国で高まる中で行われた。

 アルアラムによると、イラン革命防衛隊空軍のHossein Salami司令官は、今回の試射について、「イラン国家を防衛する準備が整っていることを示すために行った」と述べた。

「いつ、どのような場所にでも、迅速かつ正確にミサイルを発射することができる。敵側は、過ちを繰り返してはならない。敵側の拠点は、監視下にある」(Hossein Salami司令官)

 米国政府は、即座にミサイル試射への非難を表明した。米国は今まで、イランの核関連施設への軍事行動の可能性を否定していない。

 米ホワイトハウスのゴードン・ジョンドロー(Gordon Johndroe)報道官は、「イランの弾道ミサイル開発は、国連安全保障理事会(United Nations Security Council)の決議に違反し、国際社会に対するイランの責務とも矛盾する」と非難した。

 Press-TVによると、合計で9発のミサイルが試射された。「シャハブ3」の他に、射程400キロの「ゼルザル(Zelzal)」と射程約170キロの「ファテフ(Fateh)」が試射されたという。

 Press-TVは、「シャハブ3」などのミサイルの発射を放映した。発射は成功したと見られ、ミサイル発射場の周辺には大量の煙が広がった。(c)AFP