【7月8日 AFP】北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit)は初日の7日、アフリカ7か国首脳およびアフリカ連合(African UnionAU)議長などが参加してアフリカの貧困問題を協議する拡大会合が開かれた。アフリカ首脳はG8首脳に対し、アフリカの貧困問題をさらに悪化させかねない危機的状況だとして、原油・食糧価格高騰への取り組みを求めた。

 G8首脳に対しては、過去に公約していたアフリカ支援の実行が迫られており、サミット会場の洞爺湖畔の高級リゾートホテル「ザ・ウィンザーホテル洞爺(The Windsor Hotel Toya)」では、アフリカへの援助や開発支援が協議された。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、拡大会合に出席したアルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの各首脳たちは、世界的な食糧・燃料価格の高騰がアフリカ大陸の最も弱い人々を直撃しているとして、迅速な行動を求めたと語った。

 また、拡大会合に出席した国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長もアフリカ首脳に対する支持を表明し、G8首脳に2010年までに対アフリカ支援を倍増させるとした過去のサミットでの公約を履行するよう求めた。

 国連は、2015年までにアフリカでの貧困を減らし、健康・衛生状態や教育を発展させることなどを盛り込んだミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)を2000年に採択しているが、G8諸国は目標を達成できておらず、原油・食糧価格の高騰などを背景に問題はさらに悪化している。

 欧州委員会(European Commission)のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長は同日、貧困国の飢餓対策および農業支援を目的として、10億ユーロ(約1700億円)の基金を設立する考えを表明している。

 また、G8首脳は、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領が対立候補不在のまま大統領選挙の決選投票を強行した、ジンバブエに対する制裁案も検討した。(c)AFP/Marc Lavine