【6月22日 AFP】ドイツのニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、シリアと北朝鮮が、前年9月にイスラエル軍が空爆したシリア東部の施設を通じて、イランの核開発プログラムを援助していたと報じた。

 同誌はさらに、現在バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領がイランへの核援助の停止を検討しているとも伝えている。

 ドイツ情報当局の報告書によると、シリア東部アル・キバル(Al-Kibar)の原子炉は、軍用核施設としてシリア、北朝鮮、イランの3国共同で計画され建設されたものだという。

 同施設は前年9月、米国の情報支援を得たイスラエル軍により破壊されたが、来週にも国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の査察を受ける予定。シリア政府は施設が軍事目的だったとの疑惑を否定している。

 シュピーゲル誌が引用した報告は、北朝鮮政府がイランの科学者に技術協力行うことで核開発を後押ししていたとしている。またアル・キバルの核施設は、イラン本国の施設が稼働するまで一時的にイラン向け核爆弾を製造するためのものだったという。

 計画はイランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が2006年にシリアを訪問した際に話し合われたとしている。

 シュピーゲル誌は、3国が化学兵器の製造でも協力していたと報じている。前年7月にシリアの化学施設で発生した爆発事故の犠牲者には、シリア兵15人、イラン人技術者12人、北朝鮮人3人が含まれていた。(c)AFP