【6月20日 AFP】大統領選挙の決選投票を次週に控えたジンバブエで19日、最大野党・民主変革運動(Movement for Democratic ChangeMDC)のテンダイ・ビティ(Tendai Biti)事務局長が国家政権転覆罪などで訴追された。有罪の場合は死刑となる可能性もある。一方、各地では暴行が多発している。

 ビティ事務局長は国家政権転覆罪をはじめ、選挙での不正や「大統領が邪悪な人間であるかのように見せたこと」など4つの罪に問われている。

 検察側の主張によると、ビティ事務局長は3月29日に行われた下院選・大統領選において、投票結果を不正に操作する計画の詳細を含むとされる書類を作成したという。

 MDCのモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)党首は訴因について「根拠のないもの」と否定した。ツァンギライ氏と現職のロバート・ムガベ(Robert Mugabe)氏は今月27日に大統領選の決選投票に臨む。

 一方、人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が同日発表した声明によると、ジンバブエ各地で12人の遺体が見つかり、その大部分は「拉致犯による拷問で死亡した」とみられるという。

 アムネスティは、被害者を拉致したのは与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)の支持者とみられ、政府当局者とみられる武装集団が付き添っているケースもあったとしている。

 また、南アフリカでの報道によると、同国のターボ・ムベキ(Thabo Mbeki)大統領は連立政権樹立に向けた協議を行うためジンバブエ大統領の決選投票の延期を望んでいるという。

 ムベキ大統領は南部アフリカ14か国で作る南部アフリカ開発共同体(Southern African Development CommunitySADC)で、ジンバブエの危機的状況の打開に向け仲介役に選ばれたが、仲介に消極的だとして非難を集めている。(c)AFP/Fanuel Jongwe