【6月6日 AFP】(一部更新)大統領選挙の決選投票を間近に控えたジンバブエで5日、米国および英国の外交官車両が襲撃され、複数の外交官が一時拘束された。ジェームズ・マギー(James McGee)駐ジンバブエ米大使が明らかにした。

 マギー大使が首都ハラレ(Harare)から電話で米CNNに語ったところによると、襲撃を受けたのは米外交官車両2台と英外交官車両1台で、警察官が路上にバリケードを設置して車を停止させ、タイヤを切りつけた後、乗っていた職員から電話を奪った。さらに、車から降りなければ車ごと燃やすと退役軍人に脅されて降車したところ、近くの警察署に連行されたという。

 同大使は外交官との問題があれば外務省を通じて交渉するべきだとしながら、「ジンバブエと呼ばれるこの無法社会では、警察当局が勝手に行動を決定し、われわれの職員を5時間以上拘束している」と語った。

 在ハラレ米大使館によると一時拘束されたのは米国人5人、英国人4人と現地スタッフ1人。

 拘束されていた全員は解放されたが、地元運転手が激しい暴行を受けた。

 一方ジンバブエのBright Matonga副情報広報相は、外交官らが野党・民主変革運動(Movement for Democratic ChangeMDC)活動家の自宅での「騒ぎ」に関与していたとしている。「米国および英国の外交官らはBinduraの民家での集会に出席していたが、騒ぎが発生したため警察に通報があった。警察官が到着すると外交官らは(車で)逃亡したが、その途中にバリケードで止められた。外交官らが警官の命令に従って降車するのを拒んだため、警官が1台の車のタイヤをパンクさせた」と述べた。

 米政府は今回の事件を「言語道断」で「まったく容認できない」襲撃だと非難。国家安全保障会議(National Security Council)のゴードン・ジョンドロー(Gordon Johndroe)報道官も襲撃があったことを確認しているとした。

 英国のデービッド・ミリバンド(David Miliband)外相は「深刻な事態」だとし、事件を非難した。

 一方、NGO団体関係者によると、ジンバブエ政府はすべての援助団体の活動を「追って通知があるまで」停止した。

 NGO団体National Association of Non-Governmental Organisationsによると、ジンバブエのニコラス・ゴチェ(Nicholas Goche)公共サービス相は全NGO団体に対し「追って通知があるまであらゆる現地活動を停止すること」を命じる書簡を送った。(c)AFP