【6月2日 AFP】1日行われたマケドニア議会選挙(120議席)は、ニコラ・グルエフスキ(Nikola Gruevski)首相率いる中道右派の与党・国家統一民主党(VMRO-DPMNE)が開票率82%の段階で37万6636票を獲得、過半数を確保し圧勝した。グルエフスキ首相は、首都スコピエ(Skopje)の党本部で勝利宣言を行った。

 野党・社会民主同盟(Social Democratic UnionSDSM)のラドミラ・セケリンスカ(Radmila Sekerinska)党首は、与党の勝利を称える一方で「支払われた代償は大きい」と述べ、選挙期間中に複数の暴力事件が発生したことについて与党に大きな責任があると指摘した。

 1991年のユーゴスラビアからの独立後、5度目となる今回の総選挙は、マケドニアが真の民主国家であることを証明し、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganizationNATO)加盟への道を開く試金石とみられていた。
 
 しかし少数派のアルバニア系住民の多い地域で、脅迫事件や投票操作疑惑が発生、2件の銃撃で1人が死亡、2人が負傷し、アルバニア系強硬派の野党・民主統合連合(Democratic Union for IntegrationDUI)の活動家など9人が逮捕された。投票済みの用紙が入った投票箱が盗難にあったとの報道もある。

 こうした暴力事件により、2001年にアルバニア系住民とマケドニア人との民族衝突が勃発した際のアルバニア系勢力の地盤地域など約20か所の投票所で投票が中止された。(c)AFP/David Vujanovic