米大統領選の民主党指名候補争いで、アイオワ(Iowa)州デモイン(Des Moines)の州庁舎近くで行われた選挙集会で支援者に微笑むバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員とミシェル・オバマ(Michelle Obama)夫人、2人の娘たち(2008年5月20日)。(c)AFP/Getty Images/Chip Somodevilla
【5月21日 AFP】米大統領選の民主党指名候補争いで、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員の勝利の可能性が少しずつ遠のく中、同候補は20日の米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙のインタビューで、自らに対する性差別的攻撃に対して、選挙戦を通じ初めて非難の矢を向けた。
クリントン氏を支持する女性たちも一斉に氏の主張を擁護し、クリントン候補はすべての女性を代弁しており、候補者選びのあくまで最後まで踏みとどまるべきだと強調した。
■「性差別的攻撃には寛容」とメディア批判
クリントン候補が女性であることに焦点を当てた冷笑的なTシャツやグッズ、コメントなどを支持者たちは以前から非難してきたが、クリントン氏自身が口を開いたのは、ホワイトハウスへの道が閉ざされつつあるかに見えるここへ来て初めてだ。
ワシントン・ポストのインタビューではまず、自分に向けられてきた性差別的な攻撃に対するメディアの態度は「寛容」だと批判し、「何百万人の女性たちに対し非常に侮辱的だ」と述べた。
また、米国初の黒人大統領候補か、初の女性大統領候補を選ぶ結果になる今回の民主党の候補者争いには「パイオニア的要素が多々ある」と述べながら、「しかし、メディアの一部の態度のせいで、確かに(自分にとって)難しい挑戦となっている」と追い打ちをかけた。
一方、クリントン氏は、今回の選挙戦は人種差別には染まっていないと思うと述べ、それは米国社会において、おそらく性差別よりも人種差別のほうが容認されないからだろうと語った。
その上で「性差別も人種差別も、その醜い頭がもたげられたときには同じように対処すべきだ」と強調。さらに、「単なる女性嫌いにしかすぎない人々のコメントがもつ驚くほどの辛らつさに、報道は困惑さえもしないように見える」とメディア批判を続けた。
■「オバマ氏躍進は人種のせい」のフェラーロ氏も援護射撃
クリントン支持の最前線に立つ民主党のジェラルディン・フェラーロ(Geraldine Ferraro)元下院議員は、1984年の大統領選で自ら民主党側の副大統領候補となり、クリントン候補が出馬するまで、大統領選史上に名を残す女性はフェラーロ氏だけだった。
そのフェラーロ氏はNBCのニュース番組「Today Show」に出演し、今回の民主党の予備選過程でも性差別は「はびこっている」と述べた。
クリントン候補が敗北した場合、同候補はそれを女性であることのせいにできると思うか、と尋ねられたフェラーロ氏は、「そうしていいと思うし、何よりも私や、この選挙を見てきた周囲の人たちがそうするだろう。表には出ないがこの国ではいまだに性差別が存在している。この選挙ではまん延していた」と答えた。
また民主党が、大統領候補として女性初か黒人初かの歴史的選択を前にしている状況で、「2つへの態度には大きな違いがある。この国では人種差別主義者であることはよしとされない。一方で、性差別のほうは受け入れられてしまっている」と述べ、あるクリントン候補の選挙戦のエピソードを明かした。
「おれのシャツにアイロンをかけろ」--ニューハンプシャー(New Hampshire)州で行われたクリントン候補の集会で、聴衆の中に掲げられたプラカードに書かれていた言葉だ。「(対立候補の)バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員の集会で、誰かが『おれの靴を磨け』と言ったらどうだと思うか。言った本人は人種差別主義者だとメディアにさんざん叩かれるだろう。ヒラリーには報道のそうした擁護はほとんどなかった。これはオバマ氏との選挙戦なだけではない。報道が選挙戦をどう扱ってきたかとの戦いでもある」
フェラーロ氏は3月、オバマ氏の躍進は黒人であるからだと述べ物議をかもした。「オバマ氏が白人だったら、今のポジションにはいないだろう」、カリフォルア(California)の新聞にそう発言した直後、フェラーロ氏はクリントン陣営の財務委員を辞任している。(c)AFP/Kate Beddall



