【4月20日 AFP】中国のチベット(Tibet)自治区をめぐる問題に関する欧米メディアの報道を糾弾するデモが、前日に続き20日も中国各地で発生した。国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 警官が大量に動員されたにもかかわらず、首都北京(Beijing)のほか、黒流江(Heilongjiang)省ハルビン(Harbin)、山東(Shandong)省済南(Jinan)、青島(Qingdao)などで抗議行動が行われ、北西部・陝西(Shaanxi)省北部の西安(Xian)のカルフール前には1000人以上が集まった。

 デモに参加した人々は「チベット独立反対」「CNNの反中報道に反対」といったスローガンを叫んだ。青島のカルフールで取材していたAFPのカメラマンによると、同地のカルフールの屋上駐車場には一時、警察などの車両53台が止まり、警官数百人が館内の買い物客の監視や周辺の交差点などの巡回をしていたという。

 19日には北京、青島、湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)、安徽(Anhui)省合肥(Hefei)、雲南省(Yunnan)の昆明(Kunming)、陝西省西安などでも同様の抗議行動が行われ、少なくとも青島、武漢、合肥のカルフールが営業中止に追い込まれたが、各店舗の店長によれば20日は通常通り営業しているという。

  中国政府は19日の抗議デモにつながった国民の間の反欧米感情を刺激しているとみられていたが、各地の抗議活動を報じた国営メディアは欧米に反中的な偏見があると非難しつつ、五輪前の行動に責任を持つよう国民に事態の沈静化を呼び掛けた。

 19日のデモは、3年前の反日デモ以来、同種の行動として最大規模となった。(c)AFP