【4月20日 AFP】ジンバブエ向けの武器類を運んでいた中国の貨物船が、南アフリカの裁判所に同国領内での荷下ろしを禁じられ、運搬ルートを変更しアンゴラへ向かった。19日、CNNが伝えた。

 中国の貨物船は18日夜、南アフリカのダーバン(Durban)港を離れた。

 武器類は南アから陸路でジンバブエへ輸送される予定だったが、ダーバン高裁が荷下ろしを禁じた。高裁の判断は、人問題護を扱う法律家団体「South African Litigation Centre(南アフリカ訴訟センター)」がジンバブエ向け武器類の荷下ろし・輸送に関する運搬許可発行の阻止を求めた緊急要請に基づいたもの。ジンバブエでは3月29日に実施された大統領選の結果がいまだに発表されておらず国内で緊張が続いている。

 CNNが伝えた南ア運輸省の情報によると、貨物船はアンゴラのルアンダ(Luanda)港へ向かった。

 南ア・ダーバン港では港湾労組も、中国の貨物船に積載されている武器類をジンバブエ政府が国民に対し使用するおそれがあるとして、荷下ろしを拒否した。

 現地紙が入手した積荷リストによると、中国船が運搬している武器類の中には、AK-47自動小銃の弾薬300万発、携行式ロケット弾1500個、迫撃弾3000個以上などが含まれているという。 

 欧州議会(European Parliament)の外交委員会は2月に発表した報告書で欧州連合(EU)に対し、アフリカ諸国に対する武器の運搬を停止するよう中国政府に圧力をかけるよう求めた。その際、ジンバブエについては国名を挙げて警告した。(c)AFP