【4月3日 AFP】韓国軍幹部が北朝鮮の核施設に対する先制攻撃の可能性を示唆したとし、北朝鮮政府が要求した謝罪を韓国側が拒否した問題で、北朝鮮は3日、警告していた「報復措置」を取り、南北対話を全面的に中断、軍事境界線の通行を遮断すると宣言した。

 合同参謀本部議長の金泰栄(キム・テヨン、Kim Tae-Young)陸軍大将の発言に関し、北朝鮮が求めていた謝罪を韓国が拒絶。2国間関係は悪化の一途をたどり、北朝鮮側は発言から約1週間で最も強硬な措置に出た。

 南北将官級軍事会談の北朝鮮側代表、金英徹(キム・ヨンチョル、Kim Yong-Chol)中将も前週末、韓国からの謝罪がなければ、南北会話は遮断されるだろうと警告していた。

 状況の沈静化を試みる李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)韓国大統領からの「率直な」話し合いの呼び掛けに対し、朝鮮国営通信(KCNA)は3日、「わが軍はむだな話し合いは行わない」と拒否した。

 さらにKCNAは同日、韓国軍艦艇が北朝鮮領海に侵入したとする北朝鮮海軍司令官の談話を報じ、「深刻な軍事的挑発」だと遺憾を表明した。韓国側は侵犯の事実はないと否定している。

 韓国国防省は、北朝鮮側が金泰栄議長の発言を曲解しているとし、緊張を緩和するよう北朝鮮側に求めた。北朝鮮は即日、そうした反応は「言い訳に過ぎない」と退けた。(c)AFP/Park Chan-Kyong