【4月1日 AFP】チベット人らによる中国への抗議活動が続くインドの政府当局は31日、国内での聖火リレーの安全性を保証するとの発表を行った。また、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世に対し、インドと中国の関係に悪影響を与えることがないよう改めて求めた。

 チベット自治区の暴動発生以来、インドでは連日、数百人の亡命チベット人が、中国国旗を燃やし、中国製の陶器を割るなど激しい抗議行動を行っているが、政府高官は、聖火を守るための「絶対に失敗しない」計画があると述べ、万全の対策をとっていることを強調した。聖火は4月17日にインドに到着する。

 インド政府高官は、「インド国内に聖火がある間、安全な順路を通過できるよう調整した。この計画は絶対に失敗しない」と述べた。しかし、聖火リレーの経路は明らかにしなかった。

 インドには世界で最も多くのチベット人が亡命しており、10万人以上が暮らしている。

 31日の抗議行動で活動家らは、仲間を殴打して拘束する真似をし、中国の治安部隊が中国国内で行っているとする弾圧を再現した。また、「フリー・チベット(チベットに自由を)」と叫び、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席を糾弾した。

 その後、抗議デモ参加者3人が中国の弾圧に抗議する書面を手渡すため中国大使館に向かったが、この際、警察が3人に付き添った。

 警察当局は、3月21日に、亡命チベット人らが中国大使館施設へ侵入を図って以来、抗議活動を監視していた。(c)AFP/Pratap Chakravarty