【3月21日 AFP】(一部更新、写真追加)ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi )米下院議長(民主党)は21日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世との会談のため、インド北部のダラムサラ(Dharamshala)を訪れた。中国チベット(Tibet)自治区での暴動発生後、外国政府高官がダライ・ラマと会談するのは初めて。

 ペロシ議長は、ダラムサラを拠点とする亡命チベット人指導者らに対し「チベットの置かれた状況は、世界の良心への挑戦だ。何が起きているのか、世界は知る必要がある」と述べ、チベットの現状を明らかにするために協力する姿勢を示すと共に、暴動の原因を明らかにするため国際的な調査の実施を呼びかけた。しかし、北京五輪のボイコットは求めていないと述べた。

 現地AFP記者によると、ダラムサラ中心部には亡命チベット人数千人が詰めかけ、米国旗とチベットの旗を振って議長を歓迎した。

 ペロシ議長は、中国の人権に関する状況を厳しく批判してきたことで知られ、ダライ・ラマ14世との会談は過去6か月間で2度目となる。中国は2007年10月に米議会がダライ・ラマ14世に「議会名誉黄金勲章(Congressional Gold Medal)」を授与したことを激しく非難しており、今回の訪問にも反発するとみられる。(c)AFP