【3月13日 AFP】チベット人に対する中国政府の人権侵害に抗議しインド北部から中国を目指すデモ行進を行っていた亡命チベット人グループが13日、インド警察に身柄を拘束された。

 チベット人らはチベット亡命政府があるインド北部のダラムサラ(Dharamshala)を10日に出発。ヒマラヤ北部を経由し中国チベット自治区への「帰郷」を目指すとしていたが、出発地点から56キロの地点で13日、インド警察当局に身柄を拘束された。

 これについて中国の秦剛(Qin Gang)外務省報道官は記者会見で、「(チベット仏教最高指導者の)ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世の独立運動にくみする者には断固、反対する」と述べ、デモ行進を非難した。

 また「世界のどの国もチベットを独立国とは認識していない。チベットは太古の昔から中国の一部だ」と、中国領としてのチベットの正当性を強調した。

 インド側の対応については「インド北部のダラムサラでの、いかなる分離・独立運動も支持しないとの保証をインド政府から得ている」と明かしたうえで、「インド政府が中国との2国間関係をさらに発展させる意思を持っているものと期待する」と述べ、インド警察によるデモ行進取り締まりに満足感を示した。

 その一方で秦報道官は、身柄を拘束されたチベット人らに対しては、「チベットが中国領であること、自身が中国人であることを認めるならば、中国は彼らを歓迎する」と述べた。(c)AFP