【3月13日 AFP】(3月13日 写真追加)売春組織の顧客だったことが明らかになり、弾劾を求める動きやメディアによる辞任圧力にさらされていた、米ニューヨーク(New York)州のエリオット・スピッツァー(Eliot Spitzer)知事は12日、辞任の意向を発表した。

 スピッツァー知事は、ニューヨークで夫人同席の会見を開き、「わたしは公職について以来、地位や権力にかかわらず自らの行動には責任をもつべきだと主張してきた」とした上で、「自らの私的な問題で、職員に迷惑をかけることはできない」と語り、辞任することを明らかにした。

 スピッツァー知事は17日、デビッド・パターソン(David Paterson)副知事に正式に職務を引き継ぐ予定だという。後任のパターソン副知事は、同州初の黒人知事、さらに米史上初の盲目の知事となる。

 ニューヨーク州司法長官として組織犯罪や企業汚職の問題に取り組み、「ウォール街(Wall Street)の保安官」や「ミスター・クリーン」と呼ばれたスピッツァー知事は、かつては米大統領選への出馬も取りざたされたこともある。現大統領選では、同州選出のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員を支持しているとされる。

 米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、スピッツァー知事は、ニューヨーク州司法長官だった10年前から売春組織を利用しており、つぎ込んだ費用は8万ドル(約820万円)以上になるとされている。(c)AFP/James Hossack