【3月3日 AFP】コロンビア空軍が隣国エクアドル領内で、コロンビアの左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」ナンバー2の司令官を殺害したことを受け、ベネズエラとエクアドルの両国はそれぞれのコロンビア国境付近に軍を配置するとともに、コロンビアの首都ボゴタ(Bogota)にある大使館を閉鎖した。

 FARCナンバー2のラウル・レジェス(Raul Reyes)司令官がエクアドル領内で、越境侵入したコロンビア軍に殺害された事態を受け、コロンビアと周辺諸国間の緊張は高まっている。

 2日夜、テレビ番組に出演したエクアドルのラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領は、カルロス・オルギン(Carlos Holguin)駐エクアドル・コロンビア大使を「即時に国外退去させることを決定し、北部国境沿いへの部隊の展開を指示した」と述べた。すでにエクアドル側は、在ボゴタ(Bogota)大使を召還したと述べた。また、コロンビア側の行為は「最終的な結果」をもたらしかねないとの警告を伝えたという。コレア大統領は事態に対処するため、予定していたキューバ訪問を急遽中止している。

 コロンビアのアルバロ・ウリベ(Alvaro Uribe)大統領から電話で襲撃について報告を受けたコレア大統領は「襲撃は正当な防衛であり、エクアドルの主権を侵害してはいない」とするコロンビア政府の主張に、当初は冷静な対応を示していた。

 しかし、襲撃後の「コロンビア革命軍」の拠点の状況を知ると、コレア大統領は激怒したという。「遺体は下着姿やパジャマ姿だった。つまり、激しい戦闘が行われたのではなく、寝ているところを爆撃され、虐殺されたのだ」と同大統領は記者団に怒りをあらわにした。

 これに対しウリベ大統領の広報官は、殺害されたFARCのレジェス司令官のパソコンから、「コレア大統領がコロンビア革命軍と関係を持ち、関与していたことを示す」資料が発見されたと述べ、コレア大統領が「コロンビア革命軍」に関与していたと非難した。(c)AFP/Jean-Luc Porte