【2月28日 AFP】大統領選に端を発したケニアの混乱を収拾するため、与野党間の仲介を試みていたコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連(UN)事務総長は28日、与野党指導者が連立政権樹立に合意したと発表した。

 ムワイ・キバキ(Mwai Kibaki)大統領とライラ・オディンガ(Raila Odinga)野党党首の協議を仲介したアナン氏は協議終了後、「われわれは連立の合意を取り結んだ」と報道陣に語った。同日午後にも、両指導者は正式な合意文書に調印する。協議には、アフリカ連合(AU)議長に就任したタンザニアのジャカヤ・ムリショ・キクウェテ(Jakaya Mrisho Kikwete)大統領も立ち会った。
 
 26日には和解協議が暗礁に乗り上げ、アナン氏が協議を一時中断する一幕もあった。

 同国の混乱は、前年12月の大統領選に勝利したキバキ大統領に対し、オディンガ党首率いる野党が「選挙不正だ」と非難したことから発生。与野党対立による暴動や民族間の衝突などにより、国内で少なくとも1500人が殺害され、数十万人が避難する状態となった。

 与野党協議で主に論点となっていたのは、連立政権を樹立した場合、大統領に強力な権限を付与している憲法下で、首相にはどの程度の権限が与えられるかという部分だったとみられる。(c)AFP