【2月15日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領(55)は14日、クレムリン(Kremlin)で、任期中、最後となる年に一度の内外メディアとの記者会見を開き、3月の大統領選後に退任した後も、首相として強力な権力を行使する考えを示した。

 プーチン大統領は会見で、セルビアのコソボ(Kosovo)自治州の独立を支持する欧米諸国を非難。軍事協力や米国のミサイル防衛(MD)基地建設を受け入れる旧ソ連圏諸国に対し、ミサイル攻撃を行うと威嚇し、北大西洋条約機構(NATO)の反感をさらに高めた。

 特にNATO加盟を目指すウクライナや、米国のミサイル防衛基地の受け入れを計画しているチェコやポーランドについて、同大統領は、「脅威」とみなすことができる国だとして、ミサイル攻撃も辞さないと警告した。

 プーチン大統領の声明を受け、NATOは直ちに、加盟国以外の国が、加盟を阻止する権限はないとして反撃した。今週初めには、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官が、プーチン大統領の同様な発言を「非難に値する言動」だと攻撃した。

 さらに、同大統領はコソボ自治州の独立問題について、支持を表明している欧米諸国を「不道徳」だとして激しく非難。また、ロシアを迂回(うかい)して、中央アジアのエネルギー資源を手に入れようとする欧米の努力を「誤った」「ばかげた」「アマチュア」な手法だとはねつけた。

 2週間後の3月2日に行われる大統領選では、プーチン大統領が後継に指名したドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)第1副首相の当選が確実とみられている。(c)AFP/Sebastian Smith