関連情報2008年 米大統領選挙
2008年1月24日、イラクの首都バグダッド(Baghdad)中心部のイラク証券取引所(Iraqi Stock Exchange)で株価を見る男性。(c)AFP/SABAH ARAR
【2月7日 AFP】米国では5日、次期大統領選挙の共和党、民主党候補選出が24州で行われた「スーパーチューズデー」に全国が沸いたが、その選挙戦の重要争点の一つであるイラク政策の当事国、戦争で疲弊したイラクの国民は、米国の大統領選にほとんど関心を持っていない。
■無関心をよそに市民生活に影響する米の政策討議
イラクの首都バグダッド(Baghdad)の6日朝、海の向こうでは米国民が前夜の選出結果を心待ちにしていたが、米軍部隊16万人が駐留し、世界最大の米国大使館があるイラクでは、国民の関心は払われていないに等しかった。
バグダッド市内のハイファ・ストリートは一時、激しい宗派間抗争の最前線だったが、現在は市で賑わうダウンタウンの通りとして復活した。この通りでたばこを売るAbu Aliさん(58)は傍らのガスヒーターの前で身を縮めながら、肩をすぼめてこう語った。「選挙(米大統領選)が終わったって同じだと思う。新しい大統領で大きく変わるとは思わないし、選挙運動中の約束だって守られないだろう。候補者たちはただ自分が選ばれたいだけだ」
Aliさんのような冷めた見方がある一方で、米国の政策論争が彼の店先にまですでに影響を与えていることは事実だ。
1年あまり前にはハイファ・ストリートは、国内のイスラム教シーア派とスンニ派の原理主義グループ同士、さらにそれを鎮圧しようとする米イラク合同部隊の戦闘地域の真っ只中だった。当時の戦闘による傷跡はいまだ通りに残っているが、それでも界隈には活気が戻っている。
しかし、買い物客でにぎわう通りの200メートルおきには、今もイラク軍の検問ポイントがあり、イラク兵が常駐している。
こうした復興を可能にしたのは、約3万人の米軍増派の成果だとされる。米軍の配備が強化され、イラク軍との合同作戦で街路は米軍の指揮下に取り戻されたという。
■「ブッシュ大統領より次がよくなることなんてない」
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は米国内の強硬な反対を押し切り、イラクへの増派計画を決行した。これを強力に支持したのが昨日のスーパーチューズデーで、共和党大統領候補の指名をほぼ不動にしたとみられるジョン・マケイン(John McCain)上院議員だ。
実際、今回の大統領選での世論調査では、共和党にとってブッシュ政権とイラク戦争は足かせとなっているという結果が出ている。
以前、バグダッドに「彼の名前のついた広場ができるだろう」と予言した保守派論者もいたが、イラクの首都におけるブッシュ大統領の評判はすこぶる悪い。「まったく気にしていない。選挙を見ていない」と言い切るのはバグダッド中心部の店の店員、Saad Mohammedさん(36)。「(米国の)ブッシュ大統領よりも次がよくなるなんてこともない。災難をひとつ追いやったって、またもっと悪いのがやって来る」
イラクのメディアでは、新聞社マシュリク(Mashriq)の日刊紙が「米軍はイラクに100年は駐留する必要がある」とするマケイン候補の発言を伝えた通信社電を掲載したが、新たに発行された独立系新聞ではスーパーチューズデーについてほとんど取り上げなかった。
通りにいた女性はこう語った。「何が起こるか分かる人なんていない。イラクに起こったことに反対している者もいれば、同意している人もいる。わたしはただ新しい大統領が仕事を始めるのを待って、どんな真剣な行動を取るのか見るつもりだ」(c)AFP/Salam Faraj



ユーザー制作のスライドショーをご紹介。無料で簡単な会員登録で見られます。
拡大して見られた人気写真ランキング。会員登録で拡大写真が見られます。登録は無料で簡単。
AFPBB News に掲載している写真・見出し・記事の無断使用を禁じます。© AFPBB News