2008年1月25日、米サウスカロライナ(South Carolina)州チャールストン(Charleston)の選挙集会に姿を見せたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補(中央)。(c)AFP/ROBYN BECK
【2月1日 AFP】サウスカロライナ(South Carolina)州で1月26日に行われた米大統領選の民主党予備選挙で、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補(60)が着ていた黄色のスーツは似合っていたか? 同候補は、しわ取り注射による若返り術を行っているのか?
答えはイエスだ。女性が大統領選に出馬した場合、その外見とファッションは有権者の間で格好の話題になる。服装や若返り術に興味がある人々にとってだけでなく、テレビ司会者や博学な解説者にとっても重要なテーマだ。
■女性候補の外見に対する評価の目は厳しい
疲れ果てたクリントン候補の顔に表れたしわを写した写真や、声を失う姿が映った映像などは、長い間メディアで話題に上る。ホワイトハウス(White House)に最も近いと言われる初の女性の、こうしたネガティブなイメージの写真は、徹底的に分析されるのだ。
クリントン氏より11歳年上で共和党候補指名を狙うジョン・マケイン(John McCain)上院議員や、クリントン氏と民主党候補指名を競い合うわずか46歳のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員に対するものよりも、はるかに厳しい目で分析される。
「女性候補の見た目に対する評価の仕方は、男性候補に対するものとは常に違っている」と、アメリカン大学(American University)ので女性と政治の関係を研究するサラ・ブリューワー(Sarah Brewer)氏は話す。
■「上品さ」より「適切さ」
大統領候補には、シンプルさとアメリカ人らしさが求められる。候補者は、適切な靴やスーツ、アクセサリーを身に着けて、「ホワイトハウスまでの道」を注意深く歩かねばならない。
イメージコンサルタントのサリー・スチュワード(Sally Sreward)氏によると、米国では上品さよりも適切であることのほうが重要だ。国民は大統領に、保守的な企業の社長のような装いを求めるという。男性の場合は、ネイビーブルーのスーツに白いシャツで赤いネクタイを身につけ派手すぎないこと、そして女性の場合はフェミニンで実務的な装いで、アクセサリーは控えめにすることがベストとされる。スカーフも上品すぎるため不適切だ。
30日に民主党候補指名争いから撤退したジョン・エドワーズ(John Edwards)元上院議員は、1回のヘアカットに400ドル(約4万2000円)を使ったことで非難を浴びた。その費用ではなく、そのヘアカットを行った人物が問題になったのだ。
これについて、コロンビア大学(Columbia University)でジャーナリズムを教えるジェシカ・シーゲル(Jessica Siegel)教授は「美容師がフランス人だったから騒がれた。フランス流のシックさは米国では評価されない」と説明している。エドワーズ元上院議員は、これまでの予備選でクリントン候補とオバマ候補に次ぐ3位だったが、その後ついに選挙戦を撤退した。
■今回の選挙戦では「見た目」も重要
シカゴ(Chicago)を拠点にスタイルとイメージのコンサルタント活動を行うTom Kolovos氏は、「見た目が重要になる選挙戦としては、ケネディ(John F. Kennedy)対ニクソン(Richard Nixon)以来のものだ」と指摘する。
クリントン候補が好むスーツは、マンハッタンにブティックを構え「洗練されて自信に溢れた働く女性」のための服をデザインするNina McLemoreのものだ。外国デザイナーのブランドは選ばない。アクセサリーも控えめだが、女性政治家ではタブーとされるスカーフだけは、声帯を守るために使っている。
元俳優で共和党候補指名を狙っていたフレッド・トンプソン(Fred Thompson)元上院議員は、アイオワ(Iowa)州で皮製のズボンを履いて登場したとき、失笑の的になった。そのトンプソン元上院議員も1月に選挙戦から撤退した。ホワイトハウスへの「キャットウォーク」は、ふさわしい服装で歩かねばならないということが、この一件からも明らかになっている。(c)AFP/Paola Messana



