【1月31日 AFP】2006年のイスラエル軍によるレバノン侵攻について調査していたイスラエル政府任命の調査委員会は30日、侵攻は適した機会に行われず、重大な失敗だったとする報告書を発表した。侵攻失敗の報告がなされたが、エフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は、激しい批判からは免れた。

 長く待ち望まれていた報告書は、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラ(Hezbollah)との戦闘に深刻な失敗と不備があったとしたが、オルメルト首相は最善の国益のために行動をとったともしている。

 Eliyahu Winograd委員長は、「全体的に見て、第2次レバノン侵攻は、時機を間違っていた」と述べた。また、「政府および軍上層部は戦略的思考と計画に欠けており、われわれは重大な失敗や不備を発見した」と報告したものの、オルメルト首相とアミール・ペレツ(Amir Peretz)国防相(当時)は、侵攻当時イスラエルの国益が何かを真剣に考えた上で、指揮を執ったとした。

 報告書の発表前に辞任を求める声が挙がっていたオルメルト首相は、今回の発表に満足しているという。また、中間報告書で、現職にとどまったとして唯一非難された同首相は、辞任する意思は全くないという。

 一方ヒズボラは、中東で最も強力な軍隊を有しているとされるイスラエルに勝利したことが、報告書で明らかになったとみている。(c)AFP/Ron Bousso