【1月29日 AFP】オーストラリアのジェニー・マクリン(Jenny Macklin)先住民問題相は28日、同国政府が2月12日から始まる議会で「可能な限り早急」に、同国先住民のアボリジニに対する正式な謝罪を行う意向であることを明らかにした。

 前年12月に政権に就いた中道左派のケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相は、先住民族との和解を促進し、過去の不正に対して謝罪を拒否してきたこれまでの保守政権の方針を覆すことを約束していた。

 メルボルン(Melbourne)で記者団の取材に応じたマクリン先住民問題相は、謝罪は議会初日に行われるとの報道については認めることを避けながらも、アボリジニへの謝罪は早急に行われると語った。謝罪には、いわゆる「失われた世代」も含まれるという。

 「失われた世代」とは、1970年代まで40年にわたって白人社会に同化することを目的に親元から引き離され、白人の養子にされたり養護施設に入所させられた、アボリジニと白人との間に生まれた子どもを中心にした数千人のアボリジニのこと。

 さらに、マクリン先住民問題相は、議会で可能な限り早急に謝罪を行うとしながらも、「まずは専門家との協議の結論を出したい」と語った。また、謝罪対象についての詳細は明らかにしなかったが、より広い範囲で検討していると語り、謝罪が「未来への架け橋」になるものだとした。

 アボリジニは、1788年に英国から最初の移民が到着して以来、低い社会的地位しか与えられず、現在はオーストラリアの総人口2100万人のうちわずか47万人しかいない。(c)AFP