2008年1月22日、米サウスカロライナ(South Carolina)州グリーンビル(Greenville)の大学で演説する民主党候補のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員。(c)AFP/Emmanuel DUNAND
【1月23日 AFP】2008年米大統領選挙で初の黒人大統領を目指す民主党候補のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員(46)。米国には黒人大統領を迎える用意ができているのか。このことが問われる中で、人種問題がまたもや選挙戦の争点に浮上している。
■期待と批判が交錯、オバマ候補
政治関連の記事を扱うウェブサイトPolitico.comは、「人種問題は今回の大統領選の切り札だが、見通しは不透明」と論じている。
候補者指名競争の初戦となったアイオワ(Iowa)州の党員集会でライバル候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員を破り、国内外をアッと言わせたオバマ氏。オバマ氏が表紙を飾ったニューズウィーク(Newsweek)誌は「米国の新しい一章が始まった」と絶賛した。
メリーランド大学(University of Maryland)のロン・ウォルターズ(Ron Walters)教授(アフリカ系米国人史)は、「オバマ氏は人種や階級を超えた国民の連帯を目指している」と語り、国民を結集させて変革を実現できる人物との見方を示した。
オバマ氏は大統領選初の黒人候補者というわけではないが、公民権運動を担った世代ではなく、そうした世代がつかみとった黒人の地位向上の恩恵を受けてきたという点で、これまでの候補者の立ち位置とは違う。
現にオバマ氏は「黒人であるが故に民主党の候補者指名レースでは不利」との一般的な見方を一笑に付している。コロンビア大学とハーバード大学ロースクールを卒業し、アフリカ系として史上初の「Harvard Law Review」の編集員を務め、米上院唯一の黒人議員として活躍するオバマ氏。彼は人種の垣根を突き破ってきたとも言える。
シンクタンク「Joint Center for Political and Economic Studies」のデビッド・ボシティス(David Bositis)研究員は「オバマ氏は人種問題をほとんど取り上げていない。彼の支持基盤は黒人層ではなく裕福な白人層。特に新しい世代のリーダーを求める白人の若者たちだ」と指摘する。
一方、テレビ業界の黒人起業家、ボブ・ジョンソン(Bob Johnson)氏はオバマ氏のそうした姿勢を非難する。「腫れ物(=人種問題)にはさわりたくないというような態度には共感できない」
政治評論家のラリー・サバト(Larry Sabato)氏も同意見だ。「アフリカ系米国人たちは、オバマ氏に勝算があるのか疑問に思っている」
■最近は人種問題を意識する発言も
そんなオバマ氏だが、1964年の公民権法の制定をめぐるクリントン候補の発言に対し、「マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King)牧師の貢献を過小評価している」と攻撃し、黒人有権者にアピールした。最新の黒人有権者の支持率調査では、2対1でオバマ氏がクリントン氏を圧倒している。
ジョージア州議会議員のジョン・ルイス(John Lewis)氏は「オバマ陣営は人種問題をあおってクリントン候補の発言を意図的にゆがめようとしている」と批判。これに対して黒人ジャーナリスト、マージョリー・バルブラン(Marjorie Valbrun)氏はワシントンポスト(Washington Post)紙の社説で「クリントン氏は台頭いちじるしい黒人指導者を侮辱しようと躍起になっている」と反論した。
「人種問題は、どのように扱われようとも間違いなく大統領選の争点となる」(バルブラン氏)
26日には公民権運動が盛んだったサウスカロライナ(South Carolina)州で予備選挙が行われるが、同州有権者の半分が黒人ということもあり、行方が注目されている。(c)AFP/Marie Sanz





