【1月18日 AFP】自民党は17日、都内で第75回党大会を開いた。福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は演説で、党の現状について「自民党立党以来の最大の危機だ」との認識を示した。また、結党当時を振り返り、「50年前、わが党の先駆者たちは誇りを持って国民のための政治を行うことを宣言した」と述べ、「今こそ、政府、官僚がともに国民の立場にたった政治を行うべき時だ」と語った。

 1955年の立党以来、自民党はほぼ半世紀にわたって衆参両院を支配してきたが、前年の総選挙で大敗。衆議院では過半数を維持しているものの、参議院第1党の座を民主党に明け渡している。

 前年9月に安倍晋三(Shinzo Abe)首相(当時)の辞任をうけ首相の座を引き継いだ福田首相は、先の国会では野党の協力が得られず、ほとんどの法案が否決された。

 一方、前年11月に期限切れとなった海上自衛隊によるインド洋での給油活動を再開させる特別措置法案については、参院で否決されたものの、自民、公明が多数を占める衆議院に同法案を差し戻し、前週11日の本会議で可決させている。

 福田首相は、衆参で第1党が異なる「ねじれ」現象のなかでの国会運営は非常に困難であるとし、18日に召集される次期通常国会では、「(国会での協力は)民主党にとっても国民の支持を得るために必要」と述べ、最大野党民主党にも国会運営での協力を呼び掛ける意向を示した。

 しかし、18日からの通常国会では、与党が年度内成立を目指す揮発油(ガソリン)税の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案に対する野党からの強い反発が予想され、福田政権は今後も多難な前途が予想される。(c)AFP