【1月7日 AFP】米大統領選の候補者指名レースは8日、ニューハンプシャー(New Hampshire)州での予備選挙に舞台が移る。過去の例では、レースの皮切りとなるアイオワ(Iowa)州での勝者が同州においても勝者になることはまれで、前回の敗者が勢いを取り戻す契機ともなる。一方で、アイオワ州に引き続き同州でも成功を収められなかった候補者は事実上レースから「脱落する」とみられており、同州での予備選挙が大きな注目を集めている。

 3日のアイオワ州での民主党予備選で、バラク・オバマ(Barack Obama)候補に敗北を喫し、3位に終わったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補は、ニューハンプシャー州での予備選を前に「新しい州で新しい1日がスタートする」というキャンペーンを張り、巻き返しを図る構えだ。

■共和党はマケイン上院議員が有利

 同日アイオワ州での共和党予備選で、ミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事を破って首位に立ったマイク・ハッカビー(Mike Huckabee)元アーカンソー(Arkansas)州知事は、自身の支持基盤となるキリスト教保守派が少ないニューハンプシャー州では苦戦を強いられそうだ。 
 
 一方で、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員が台頭しそうな勢いをみせている。最新の世論調査でも、マケイン氏が同州で支持率トップに立つ。

■ニューハンプシャー州の予備選、「波乱」の歴史

 ニューハンプシャー州は1996年の共和党予備選で、最有力候補ボブ・ドール(Bob Dole)氏ではなくパット・ブキャナン(Pat Buchanan)氏を選出するなど、全米の趨勢とは異なる結果が出ることで知られる。

 2004年の予備選では、アイオワ州でふるわなかったジョン・ケリー(John Kerry)民主党候補がニューハンプシャー州の予備選でトップに立ち、3位に甘んじた最有力候補ハワード・ディーン(Howard Dean)氏がこの直後に辞退を表明するという事態も発生した。

 2000年の同州における共和党予備選では、マケイン氏がジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領を抑えてトップだった。また、1992年の大統領選で当選したビル・クリントン(Bill Clinton)前大統領は、同州の予備選では2位だった。

 ニューハンプシャー州の有権者は85万人で、うち26%が民主党員、30%が共和党員で、残り44%が無党派層。無党派層は、希望すれば民主・共和のいずれかの予備選で投票することができる。(c)AFP