【1月6日 AFP】米大統領選挙の民主党指名候補争い初戦となったアイオワ(Iowa)州党員集会でバラク・オバマ(Barack Obama)候補に大敗北を喫したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補は5日、次の予備選が迫るニューハンプシャー(New Hampshire)州での討論会で同氏を標的に舌戦を繰り広げた。

 ニューハンプシャー州の予備選を8日に控え、世論調査ではそれまで絶対的優位だった北東部でのクリントン候補の支持率が低下する中、民主党候補討論会は同州マンチェスター(Manchester)で行われた。

 クリントン氏は緊張感ある直接討論の場を舞台に、オバマ上院議員は政治的利益を得るために主要な問題における主張を頻繁に変えてきたと責めた。オバマ氏に「むしろ自分自身について討論すべきでは」と攻撃した。

 黒人初の大統領を目指すオバマ氏の勢いを是が非でもそぎたいクリントン氏は、オバマ氏の「経歴が重要」との発言を逆手に取り、「かつての上院選のオバマ氏の提案や対応について、この3年間で立場や考えを変えている」と指摘し、イリノイ(Illinois)州選出1期目のオバマ氏を批判した。

 これに対し、アイオワで勝利を手にしクリントン氏を驚がくさせたオバマ氏も、かつてのファーストレディーである同氏に対し、オバマ氏の政策をゆがめていると反撃に応じた。

 オバマ氏は「ニューハンプシャーでの指名争いを控え、互いの過去をゆがめて伝えることをしないことが重要だと考える。米国民が望んでいるのは問題に正面から向かう人物だと思う」と述べた。

 一方、アイオワで2位だったジョン・エドワーズ(John Edwards)元上院議員もクリントン氏に矛先を向けた論戦を展開。エドワーズ氏はクリントン氏について、ワシントン政界のコンセンサスが覆されようとすると攻撃的になる「現状維持派」の一部だと断じた。(c)Stephen Collinson/AFP