【12月28日 AFP】パキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相の暗殺をうけ、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML)を率いるナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相は28日、ブット氏暗殺によりペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領に自由・公正な選挙を行う意思のないことが示されたとして同大統領を非難した。

 報道陣を前にシャリフ元首相は「ムシャラフ大統領には自由で公正な選挙を行う意思は毛頭ないことが、昨日のブット元首相の暗殺事件で証明された」と語った。

 また、ムシャラフ大統領が予定通り来年1月8日に総選挙を強行すれば、「ムシャラフ政権のみならずパキスタンそのものが崩壊しかねない」との懸念を表明。仮に選挙が行われたとしても主要政党のほとんどが選挙のボイコットを表明しており、そのような選挙に正当性はないと述べた。

 さらにシャリフ元首相は、パキスタンにとって現在の最重要事項はムシャラフ大統領の辞任だとして、「大統領は即刻辞任すべきだ。それを多くのパキスタン国民が望んでいる」と訴えた。
 
 シャリフ元首相は、1999年のクーデターでムシャラフ大統領に国外追放されていたが、前月25日に帰国を果たした。(c)AFP