【11月20日 AFP】東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)首脳会議が20日、シンガポール(Singapore)で開かれ、加盟国10か国首脳は、組織改革と地域内における人権保護と民主化推進を目指すASEAN憲章に調印した。

 この憲章は、ASEANの最高規範を初めて定めたもので、加盟国の人権機関の設置が盛り込まれているが、この組織がどれだけの強制力を持つかは明記されていない。

 今回のASEAN首脳会議は、ミャンマーが国連(UN)特使によるミャンマー情勢の報告を拒否する混乱があった。

 議長国シンガポールのリー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相は「ASEANを強化するためには地域間の統合を加速し深める必要がある。そのためにASEAN憲章は欠かせないものだ。ASEANは規範に基づいた運営と意思決定過程の合理化でより効率的で結束力の強い組織となるだろう。今後のさらなる統合に向けての地盤固めとなった」と述べた。

 憲章案の完成までには長く困難な議論が続き、途中何度か効力の縮小や廃案も提案された。この憲章では、加盟国は「民主化を進め、健全な統治と法の遵守を強化し、人権や基本的自由を認め推進する」ことを求めている。また地域内の核兵器廃絶や貧困問題の改善、環境保護、さらにモノやサービス、カネ、人的資本の自由化を目指し協力する。


 フィリピンのグロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領は、ミャンマーが民主化を推進し民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんを解放しなければ憲章を批准しないと述べており、ミャンマー問題が憲章発効への大きな障壁となる可能性もある。(c)AFP/Martin Abbugao