2007年10月20日、米国ワシントンで行われたキリスト教福音派の集会「The Washington Briefing:Values Voter Summit」で演説する共和党の大統領候補マイク・ハッカビー(Mike Huckabee)前アーカンソー(Arkansas)州知事。(c)AFP/Getty Images/Stephanie Kuykendal
【11月9日 AFP】次期米国大統領選挙の共和党候補指名争いで、マイク・ハッカビー(Mike Huckabee、52)前アーカンソー(Arkansas)州知事が善戦しており、同党の候補者選出の予測の難しさに拍車をかけている。
キリスト教プロテスタント系バプテスト派の牧師でもあるハッカビー候補について、冗談好きでギターをたしなむこと以外にこれまで知られていることといえば、ビル・クリントン(Bill Clinton)前大統領と同じアーカンソー州の町ホープ(Hope)の生まれである点と、約100ポンド(約45キロ)の減量に成功したこと程度だった。
しかし、全国の候補者選出の口火を切るアイオワ(Iowa)州での党大会を65日後に控え、ハッカビー氏は共和党周辺のキリスト教保守派の間で広がる不満に乗じ、同州の世論調査で2位につけた。
「アイオワ州の共和党大会において宗教右派は重要な票田だ。彼らの支持を得られれば、本命候補の一人といえる」とアイオワ大学(University of Iowa)のCary Covington教授(政治学)は解説する。「ハッカビーはその分かれ目にいると思う。もう一押しするには目立つことをするか、巨額の資金を集めるか、何か大きな公約が必要だ」。
ハッカビー氏の政治的立場は元来、保守派の中でも強硬派。銃所持権利の擁護派にして進化論懐疑論者であり、同性愛者間の結婚には反対、イラクや「テロとの戦い」についてはタカ派の発言を行ってきた。しかし、こうした断固たる保守派の持論を、やんわりと軽快な表現に変化させるところが同氏の持ち味だ。
例えば銃支持派としては、ノーザンアイオワ(Northern Iowa University)大学で7日に開催された教育フォーラムで、会場内で携帯電話が鳴ると突然コメディアンのような語り口に変え、「ディック・チェイニー(Dick Cheney)が私を猟に連れて行きたがっているんだろう。私は一緒に行く気はないけれど」と述べ、チェイニー前副大統領が狩猟の最中、友人を誤射した事故を皮肉った。
共和党のライバル候補たちが軽いイメージ作りを敬遠する中で、ハッカビー氏独自のこうした巧妙な軽口は、低姿勢で安心できる人物として受け入れられるために一役買っている。指名争い開始直後、ハッカビー氏は弱小候補だとみなされていたが、最近の予測調査では明らかに勢いをつけている。
米政治専門サイトRealClearPolitics.comによる調査で、ハッカビー氏はアイオワ州の共和党指名予測で、29%を獲得したミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事に次いで15%を獲得し、2位という結果だった。
米調査会社ラスムッセン(Rasmussen)が連日実施している全国追跡調査でも、ハッカビー氏は7日、共和党候補中、ルドルフ・ジュリアーニ(Rudolph Giuliani)前ニューヨーク市長、フレッド・トンプソン(Fred Thompson)元上院議員に次いで3位で、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員とロムニー候補を抑えている。
さらに、キリスト教福音派の有権者を対象にワシントンで実施した調査では、首位となったロムニー氏に2位のハッカビー氏が切迫した。
しかし、ハッカビー氏が1月3日に行われるアイオワ州党大会で旋風を巻き起こすことがあっても、実際に共和党公認候補に指名される可能性は依然、少ないとみられている。こうした情勢の中、本選でハッカビー氏を副大統領候補に推す声もあがり始めている。(c)AFP/Stephen Collinson

