【11月1日 AFP】スペイン下院は31日、スペイン内戦(1936-39年)と、その後フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統が死去する1975年まで続いた独裁体制下で迫害された人々の名誉回復などを盛り込んだ「歴史の記憶法(Law of Historical Memory)」の法案を可決した。

 同法案は、独裁政権の実態を明らかにし、当時の文書保存を義務付けたうえで、民主主義の原則を強固にし、その価値を高めることを目的とする。具体的な内容は以下の通り。

・内戦と独裁政権下における、すべての有罪判決を「違法」とし、当時の制裁措置、暴力の不当性を正式に認める。

・独裁政権下の犠牲者や遺族を対象に、年金や賠償金など国が補助金を交付する。

・内戦と独裁政権下における犠牲者の集団埋葬地の場所の特定や遺体の発掘を国が支援する。

・公共施設において、フランコ将軍らの反乱、内戦、独裁体制を記念する品や、それらをたたえる文言を排除する。

・首都マドリード(Madrid)郊外のフランコ総統の遺体が埋葬された霊廟(れいびょう)「Valley of the Fallen」における政治集会を禁止する。

・内戦と独裁体制時に国外追放や国外移住によりスペイン国籍を失った人たちの国籍を回復し、その子孫にもスペイン国籍を認める。

・内戦と独裁体制時代の文書をサラマンカ(Salamanca)の施設で保管する。(c)AFP