【10月24日 AFP】トーマス・シーファー(Thomas Schieffer)駐日米大使は24日、東京の日本記者クラブ(Japan National Press Club)で会見し、アフガニスタンにおける米軍主導の対テロ作戦を支援する海上自衛隊の給油活動について、日本政府に対して強く継続を呼び掛けた。

 同大使は会見の中で、給油活動の停止は日米関係を損ねると同時に、国際社会に誤ったメッセージを送ることになると発言。

 海上自衛隊はインド洋上から米軍主導の多国籍軍に給油そのほかの支援を行っているが、野党は平和憲法を掲げる日本が「米国の戦争」に関与すべきではないとして、撤退を強く主張している。

「テロとの戦い」に関する日本の参加を根拠付けているテロ対策特別措置法は、11月1日に期限切れを迎える。就任約1か月の福田政権にとって、海自支援活動の中断を避けることはほぼ不可能となる見通しとなってきた。

■シーファー大使、「日本は決断を」と迫る

 シーファー米大使は「(海自の)活動が停止すれば、2国間関係に悔やまれる影響が出るだろう。関係強化に関する議論は難しくなる」と語った。米国はいかなる日本の決断も尊重するとしながらも、日本政府は「国際社会においてどのような役割を果たすのか、決断しなければならない」とも迫った。また、活動の中止は国際社会に誤ったメッセージを送ることにもなると警告し、日本がそうしたメッセージを発しないことを願うと述べた。

 安倍晋三(Shinzo Abe)前首相は辞任する際、理由の一つに、海自派遣延長に対する野党の拒絶を挙げた。

 福田、安倍両政権ともに、日本は世界第2位の経済大国として、国際安全保障においてより大きな役割を果たすべきだと主張してきた。

 これに対し民主党の小沢一郎(Ichiro Ozawa)代表は、海自派遣は憲法違反だと強固に主張する。しかし小沢氏自身、長年の改憲論者で、政治的駆け引きの巧みさで知られることから、総選挙の早期実施を目指した政権への圧力だとの見方もある。

 7月の参議院選挙で民主党が過半数を占めた後、シーファー大使は小沢代表と会談したが、議論はすれ違いに終わった。同大使は「政治的理由により満足しない人間がいることも認識されなければならない」と報道陣に言い添えた。

■給油量訂正、守屋前次官の接待問題でさらにねじれ

 海自の派遣延長、撤退をめぐる議論は、インド洋上から米補給艦に対して行った給油量が実際より低く報告されたことを把握しながら隠蔽されていた事実を、防衛省が認めた問題でさらに予想外の展開を見せている。

 野党側が、給油した燃料がイラク戦争に転用された疑惑があると糾弾する一方、日米両政府はこれを否定しており、争点となっている。

 さらに防衛省の信頼性に傷をつけたのが、守屋武昌(Takemasa Moriya)前防衛事務次官の接待問題だ。
 
 同省の主要契約企業だった防衛専門商社から長年、守屋氏が接待を受けていたことは自衛隊の倫理規程に違反するとして、衆院では29日、守屋氏の証人喚問を行うことで与野党が合意した。

 守屋氏の喚問について野党側は、海自派遣延長を目指す政府の新テロ法案を審議するための前提として掲げている。

 問題の防衛専門商社は守屋氏に対し、計100回以上のゴルフの代金を支払い、また守屋氏の娘の米国留学にも便宜を図ったとされている。

 町村信孝(Nobutaka Machimura)官房長官は守屋前次官の問題について、「(守屋氏には)説明責任がある。しかるべき形、タイミングで(説明が)行われることが必要だ」と述べている。(c)AFP/Kimiko de Freytas-Tamura