2007年9月12日、イランのテヘラン(Tehran)で、記者会見に臨むイランの核問題交渉責任者アリ・ラリジャニ(Ali Larijani)最高安全保障委員会(SNSC)事務局長(当時)。(c)AFP/BEHROUZ MEHRI
【10月21日 AFP】20日にイランの核問題交渉責任者、アリ・ラリジャニ(Ali Larijani)最高安全保障委員会(SNSC)事務局長が辞任したことについて、来年2008年3月に総選挙を控えるマハムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領による政治基盤強化の動きが加速しているとの見方が広がっている。
ラリジャニ氏の後任には大統領腹心のサイード・ジャリリ(Saeed Jalili)外務次官が就任、欧米との緊張が高まるなか、核開発問題における大統領の影響力拡大を狙う。
大統領は8月にもガゼム・バジリハマネ(Kazem Vaziri Hamaneh)石油相とアリレザ・タフマセビ(Ali Reza Tahmasebi)鉱工業相を交代させ、翌9月には更迭したイラン中央銀行のシェイバニ(Ebrahim Sheibani)総裁の後任にタハマスブ・マザヘリ(Tahmasb Mazaheri)元経済財務省を指名したが、これらは経済・金融政策への大統領の発言力強化を狙ったものとみられている。
同国の核開発問題をめぐっては、ラリジャニ氏が講演や会談を行うたびに大統領が独自の方針を打ち出して注目を奪おうとするなど、両氏の考え方に違いがあることは周知の事実だった。イランでは政策の違いがそれほど明らかにされることはないが、2005年の大統領選に立候補したラリジャニ氏とアフマディネジャド大統領の考えに違いがあっても不思議ではない。大統領は政権発足当初から政治的立場が近い政治家や友人で周辺を固めてきたが、過去3か月、さらに権力強化を狙う動きを強めている。
来年3月の総選挙では改革派が復権を狙っており、同国の今後を決定する可能性もあるとみられている。ラリジャニ氏については総選挙出馬や大統領選出馬の可能性も取りざたされている。
強硬姿勢を貫く大統領だが、イランの高いインフレ率と、原油価格上昇による収益を大規模なインフラ計画につぎ込んでいることなどから、経済政策を中心に改革派と保守派双方から反発が強まっている。マハムード・ハシェミ・シャハルディ(Mahmoud Hashemi Shahroudi)司法府代表といった重鎮からも批判の声が上がっているが、政府は、政策は効果的で国民の支持を得ているとしている。(c)AFP/Pierre Celerier