2007年10月16日、第17回全国代表大会が開かれている北京(Beijing)の人民大会堂(Great Hall of the People)での上海市代表団の会合で和やかな表情を見せる習近平(Xi Jinping)上海市党委員会書記。(c)AFP/TEH ENG KOON
【10月18日 AFP】2006年秋、市トップの陳良宇(Chen Liangyu)前共産党委員会書記が社会保険基金の資金を不正流用した責任を問われて解任され、高官らの財産が没収されるというスキャンダルに揺れた上海(Shanghai)市。事件から1年が経過し、同市に再び経済的、政治的活力が戻ってきたようだ。
上海は、同市出身の江沢民(Jiang Zemin)前国家主席を中心とした「上海閥(Shanghai gang)」が共産党内で強い影響力を持ち、中国の急速な経済成長をけん引してきた。2002年に江前主席が引退した後も、上海の突出した地位は揺るぎないものとみられていたが、上海閥の有力人物だった陳前書記をはじめ20人以上の市職員やビジネスマンが関与したとされる前年の汚職スキャンダルで状況が一変、同市の弱体化が指摘されていた。
陳元書記の失脚は、胡主席が自身の権力基盤を固めるため、上海閥の追い落としを図ったとの見方が強い。
だが、胡錦濤(Hu Jintao)国家主席は今月2日、同市で行われた知的障害者のためのスペシャルオリンピックス夏季世界大会(2007 Special Olympics World Games)の開会式に出席。この訪問が、5年に1度の中国共産党全国代表大会(党大会)の直前であったことも影響し、「政府が上海市を政界に引き戻した」「上海の復権は進んでいる」との観測が浮上した。
陳前書記の失脚で、3月に後任に就任した元浙江(Zhejiang)省党委員会書記の習近平(Xi Jinping)上海市党委員会書記は、党幹部の習仲勲(Xi Zhongxun)氏を父親に持ち、家系から「小君主」と呼ばれる。胡主席のめざす「均衡の取れた経済発展」を上海でも進める方針を強く主張しており、将来は政治局常務委員会(Politburo Standing Committee)で要職に就くと広く信じられている。2012年に国家主席に就任するとも言われるほどだ。
ただ、情勢に詳しい研究者やジャーナリストらの間には、上海の復権は同市が中国経済に大きな影響を持つ商業都市であるためで、党内政治において上海が享受してきた特権は、もはや終わったとの見方もある。(c)AFP/Benjamin Morgan