【10月16日 AFP】(一部更新)日本政府は16日、ミャンマーへ人材センター建設用資金として提供予定だった5億5200万円に上る資金援助を中止することを決定した。この決定は、日本人ジャーナリスト長井健司(Kenji Nagai、50)さん殺害に関連するものだという。共同通信(Kyodo News agency)が伝えた。

今回の資金援助中止は、ミャンマーの軍事政権に対する初めての制裁的措置だが、これは欧米諸国を中心にした国際社会が求めているミャンマー制裁への動きに呼応したものと見られる。

 欧米諸国がミャンマーへの支援を見合わせるなか、日本は同国への援助を続けミャンマー最大の援助国になっている。これに関して日本政府は人道支援に限定していると主張してきた。ミャンマーに対する2006年度の日本の資金援助は、総額13億5300万円に上っている。

 日本政府関係者はミャンマーへの制裁に対し慎重な姿勢を示してきた。日本と中国はアジア地域での影響力を競い合っており、ミャンマーの主要な同盟国である中国が経済援助を続けるならばミャンマー政府に対する制裁の影響は少ないと見ているからだ。

 日本政府はミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんの自宅軟禁に抗議して、2003年にインフラ整備計画に対する低金利融資を停止している。

長井さんは9月27日にヤンゴン(Yangon)で、僧侶らによる反軍政デモを取材中に殺害された。テレビなどで報道された当日の映像によると、長井さんは治安部隊によって至近距離で撃たれていた。(c)AFP