【10月9日 AFP】韓国の大統領報道官は8日、AFP記者に対し、米国が北朝鮮に対する大規模な食糧支援を検討していると語った。米国はすでに北朝鮮に重油を提供しており、米朝の関係修復は一段と進む気配だ。

 同報道官は、米国務省が8月に北朝鮮の洪水被災者向けの食糧支援を表明した事実に触れた上で、「今回検討している食糧支援はそれを上回る規模になるのではないか」と語った。支援の具体的な規模と時期は、米朝が近日中に協議して決定するという。

 これまで、米国による対北朝鮮支援は国連世界食糧計画(World Food ProgramWFP)、または米国際開発局(US Agency for International DevelopmentUSAID)を通じた間接的なものに限られてきた。しかし、北朝鮮が前週の6か国協議で年内の核施設の無能力化や核計画の申告などに合意。こうした北朝鮮側の態度の軟化に伴い、米朝関係も改善の方向に向かっている。

 米大使館は、この件に関してはコメントを出していない。

 数十万人が死亡したとされる1990年代の飢饉以来、北朝鮮は食糧調達を海外からの支援に大きく依存しているのが現状だ。国連によると、北朝鮮では毎年、総需要の20%にあたる100万トン以上の食糧が不足していると見られる。これは、年間で400万人に食糧が行き届かないという計算になる。(c)AFP