2007年9月22日、国連本部で共同記者会見に臨む潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長(左)とヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)イラク首相。(c)AFP/Nicholas KAMM
【9月23日 AFP】ニューヨーク(New York)の国連(United Nations、UN)本部で22日、イラクとその近隣国および主要国などが出席し、イラク復興支援活動を話しあう閣僚級会議が開かれ、一同はイラクでの国連の役割拡大への支持と、そのために治安向上が不可欠であるという認識で一致した。
潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長はヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)イラク首相との共同記者会見の席で、「国連がイラクの国民和解を推し進める主要な役割を果たすことが重要だとの発言が多数聞かれた。国際社会はイラク問題から顔を背けたり、無視することができないとの明確な認識を共有できた。イラクの安定は共通する関心だ」と述べた。
■役割拡大には治安の改善が必要
潘事務総長は一方で、イラクの治安問題に触れ、一定の好転は認めながらも国連による活動本格化には、「さらにいっそうの治安改善が求められる」との認識を示した。
2003年8月19日にバグダッド(Baghdad )の国連現地本部を標的とした自動車爆弾による爆破テロでは、セルジオ・ビエイラ・デメロ(Sergio Vieira de Mello)国連事務総長特別代表を含む22人が犠牲になった。国連は、この事件以降65人をイラク国内に滞在する職員の上限としてきた。
現在では、バクダッドに65人および北部クルド人の町アルビルに30人と、上限枠を超える合計95人の国連職員がイラク国内に滞在し、数百人規模の国際部隊が彼らを護衛する。また、隣国ヨルダンとクウェートには合計235人の国連職員らが滞在している。
■イラク復興促進5か年計画の見直し
今回開催された閣僚級会議は、国連主導のもとイラクと隣国などが主要国や支援提供国などを交え、宗派間対立や政治家や官僚の腐敗で進まないイラク復興を促進させる方策を話し合った。
議論の中心は、いかに国連の役割を強化するかという点およびイラク国際コンパクト(International Compact with Iraq、ICI)による政治改革・経済の活性化・治安向上を柱とした5か年計画の再検討に絞られた。
国連関係者は、今回の会議が今年5月にエジプト・シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)で開催されたイラク安定化会議に弾みをつけることを期待していると話している。
マリキ首相とイラク近隣国の代表らは今回の会議が地域のさらなる対話と協力構築の可能性を探るきっかけとなったと同関係者は付け加えた。
■安保理決議1770
8月10日に採択された安全保障理事会決議1770の実施に当たっての「課題と機会」、イラク政府による政治対話と国民融和による宗派間抗争収束への取り組みへの支持なども会議の議題に上った。
安全保障理事会決議1770は国連イラク支援団(UN Assistance Mission in Iraq、UNAMI)の駐留期限を1年延長するとともに、イラク政府に対し広範囲の問題について助言、後押し、援助をするなどその任務を強化する。
国連は、イラク政府による国民和解、および治安強化、人道援助、450万人とされる難民や国内避難民の帰宅などの諸問題についてのイラクと近隣諸国との対話について、これを促進する役割を担う。
クリステン・シルバーバーグ(Kristen Silverberg)米国務省次官補(国際機関担当)は21日、「より多くの国連職員の姿をバグダッドの現場で目にしたい」と述べ、国連の役割拡大への支持を表明している。
■主要国・機関、イラク近隣諸国が出席
今回の会議には、国連安全保障理事会(UN Security Council)常任理事国、米、英、仏、中、露の5か国、当事国イラク、近隣のバーレーン、エジプト、イラン、ヨルダン、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコの8か国、カナダ、ドイツ、イタリア、日本など主要国が出席した。
また、欧州連合(European Union、EU)、欧州委員会(European Commission、EC)、アラブ連盟(League of Arab States)、イスラム諸国会議機構(Organization of The Islamic Conference、OIC)、世界銀行(International Bank of Reconstruction and Development、World Bank)、国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)などの国際機構、会議および専門機関も出席した。
出席者の中には、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官、アハマド・アリ・アブルゲイト(Ahmed Abul Gheit)エジプト外相、マヌチェフル・モッタキ(Manouchehr Mottaki)イラン外相、サウド・ファイサル(Saud al-Faisal)サウジ外相、アリ・ババジャン(Ali Babacan)トルコ外相、およびハビエル・ソラナ(Javier Solana)EU共通外交・安全保障政策上級代表ら著名な顔ぶれも見られた。(c)AFP/Gerard Aziakou