【9月21日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)の最高裁判所前で21日、保守イスラム政党メンバー約800人がペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領に対する抗議行動を行った。

 800人は緑地に白文字でコーランの言葉が書かれた旗を手に、陸軍参謀長を兼任したままでの大統領選立候補に抗議するスローガンを唱え、大統領が1999年に無血クーデターで実権を掌握したことから、「独裁者が去るまでわれわれの苦悩は終わらない」などと訴えた。

 このほかにも、元クリケット選手で政治家に転向したイムラン・カーン(Imran Khan)氏の支持者ら数十人も同様の抗議集会を行った。

 イスラム保守派政党とカーン氏らは最高裁に対し、ムシャラフ氏が軍職を兼務したまま大統領選に立候補することの有効性を問う共同訴訟を起こしている。審理結果は、次週にも下される見込み。

 抗議活動をうけ、パキスタン当局は機動隊200人および警察の装甲車両を現場に派遣。さらに、非常事態に備え特殊部隊も待機させた。

 ムシャラフ氏の任期は11月15日までで、前日、選挙管理委員会が大統領選の投票を10月6日に行うと発表したばかり。

 再選を目指すムシャラフ大統領は、再選された場合には陸軍参謀長職を辞す用意があるとの声明を18日、弁護士を通じて発表している。

 その一方で大統領は同日、諜報機関Inter Services IntelligenceISI)の長官に腹心のNadeem Taj氏を任命した。

 Taj氏は、1999年のクーデター時からのムシャラフ大統領の腹心で、大統領が陸軍参謀長を辞した場合の最有力後任候補と言われるAshfaq Kiyani現長官の後任となる。大統領は自身の軍職辞任を見込んで先手を打ったものとみられる。(c)AFP