2006年12月14日、米国ニューヨークで開かれた国際連合(UN)総会で就任演説を行う潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)第8代国連事務総長。(c)AFP/Stan HONDA
【9月19日 AFP】第62回国連(UN)総会(1年間)が18日、米国ニューヨークの国連本部で開幕した。地球温暖化をはじめとする気候変動問題のほか、ダルフールやイラクの紛争・戦争解決、中東和平などが主要議題となる。
翌週25日から10月3日まで開催される気候変動問題に関する一般討論には、192の加盟国・地域のうち100以上が出席する見通しだ。
就任後初の会議に臨む潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)国連事務総長は一般討論に先立ち、ダルフールやイラク、アフガニスタン、中東和平、気候変動の5つの主要課題に関するハイレベル会合を相次いで準備した。18日には報道陣に対し「国連史上、最も多くの多国間外交が行われる会期となるだろう」と述べた。
■ダルフール和平交渉再開の基盤作り
21日には潘事務総長とアフリカ連合(African Union、AU)のアルファ・ウマル・コナレ(Alpha Oumar Konare)委員長が共同議長を務め、1日の閣僚級会合を開き、10月27日にリビアの首都トリポリ(Tripoli)で予定されているスーダン政府とダルフール地方の反政府勢力による和平交渉の基盤作りを行う。
潘事務総長はダルフール和平に関する21日の閣僚級会合に対し「我々の戦略および和平ロードマップを、リビアでの政治的交渉へ向けて描くことができれば」と期待する。10月の交渉では、2006年5月の和平合意で調印に参加しなかった勢力へも和平合意を広げることを目指している。また、平和維持活動のための2万6000人規模の国連-AU合同部隊の派遣についても、早急な実現を促進したいという。ダルフール地方では紛争開始以来、紛争と飢餓により20万人以上が死亡、約220万人が避難を余儀なくされている。
■イラク、アフガニスタンの安定化と中東和平
続いて22日には、潘事務総長とイラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相が共同議長を務め、イラク安定化に関する問題についての閣僚級会議が予定される。イラクにおける国連の役割と存在感の強化や、過去5年間の政治・経済・治安面でのイラク安定化についての国際的取り組みが検証される。
23日には潘事務総長とアフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の共同議長で、アフガニスタンの政治不安や汚職、アヘン生産の問題などについてのハイレベル会合が予定される。
さらに同日、潘事務総長と中東和平4者協議(中東和平カルテット)の代表らによる会合が予定されており、トニー・ブレア(Tony Blair)中東和平特使、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)ロシア外相、ハビエル・ソラナ(Javier Solana)EU共通外交・安全保障政策上級代表が一堂に会する。カルテット代表らは同日夜、アラブ連盟(Arab League)代表らとの会合を兼ね、イスラムのラマダン月(断食月)の習慣にちなんだ「断食明けの夜食会」に出席する。
■気候変動と温暖化対策
一般討論の前日となる24日には、気候変動会合を潘事務総長が開き、80か国・地域の首脳が出席するとみられている。「(この会合での)到達目標は強固な政治的メッセージを、12月にバリ(Bali)島で開かれる温暖化交渉に向けて発信することだ」と潘氏は述べている。「国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)」は、京都議定書が効力を失う2012年以降の温暖化対策に関する枠組みを設定するために、12月にインドネシアのバリ島で予定されている。1997年京都議定書に調印した各国は2012年までに温暖化ガスの排出レベルを、1990年水準から少なくとも5%削減することが義務づけられている。
■注目されるイラン、米国首脳の演説
翌週の一般討論では、各国首脳による演説、中でも25日のイランのマハムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領と、宿敵ともいえる米ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領による数時間後の演説が注目される。
ウラン濃縮活動の停止を拒絶し続けるイランに対し、米政府高官らが武力行使の可能性を示唆するなど、国際的に高まる「新たな戦争」への懸念についても、世界の指導者たちが議論を交わすとみられる。
■サルコジ仏大統領、初演説
同25日にはフランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領も就任後初の国連演説に臨む。またアフリカ大陸の平和と安全に関する国連安全保障理事会で議長を務める。
■コソボ最終的地位交渉
27日には総会と平行し、コソボ和平交渉の「調整連絡グループ(Contact Group on Kosovo)」6か国(仏独英露伊米)が集まり、コソボの最終的地位交渉の進展について再検討する。28日にセルビア政府側とコソボのアルバニア系住民代表が同じくニューヨークで直接会談に臨み、国連側の仲介役を務めるマルッティ・アハティサーリ(Martti Ahtisaari)事務総長特使が推奨する「国際機関の監督下における事実上の独立」の容認をめぐり、見解の差を埋められるかが注目される。前回協議では国連による仲介案の提出にはあまり成果がなかった。EU、ロシア、米国の3者による国際支援の下に、何度も協議が開催されてきたコソボ和平交渉だが、今回は12月10日まで開催される。(c)AFP/Gerard Aziakou